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最近では、保険もテレビやインターネット上で、盛んに宣伝されていますが、それでも“顧客ターゲット”は、今もなお“保険の話を聞きたがらない”のはなぜでしょう。
そして逆に『保険の話が聞いてもらえない?、私はそんなことはありません』と言ってのける人の発言は、ハッタリなのでしょうか。それとも真実なのでしょうか。
そんなことを考えるには、一つの“事例”から入るのが、一番イメージしやすそうなのです…。
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【01】 現状を客観的に見るための“事例”? |
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顧客が話を聞かない現状を、客観的に見るために、一つの事例をご紹介します。
ある業界で、ナンバーワンを誇る企業があります。その企業は、契約者向けに特別なWebサイトを開いて、個別のデータ管理や情報サービスをしています。そんな企業の“ある顧客”が、外出先から“自分のためのページ”にアクセスしようとしました。ところが、アクセスすべき“サイトのアドレス”が分かりません。持ちだ出したノートパソコンでは、一度もアクセスしたことがないため、履歴も一切残っていなかったのです。
その上、契約者だけがアクセスするサイトのアドレス(URL)は、一般には公開されておらず、そのナンバーワンを誇る企業の公式ホームページからはリンクされていないのです。
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【02】 そんなことを“相談”するの? |
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困ったその人(A氏)は、早速、その会社の代表番号に電話を入れました。契約者がログインするためのサイト・アドレスを教えてくれる、関係部署を聞くためです。しかし、要領を得ません。担当者が出てきて、『IDとパスワードは、ご契約時に書面でお渡ししています』と言うのです。
『IDとパスワードではなく、サイトのアドレスが知りたいのだ』とA氏が言うと、その担当者はたぶん、“サイト”という言葉が分からなかったのでしょう。『詳しいことは上席に相談しないと、私では判断しかねます』と答えました。A氏は、この担当者が一体何を言っているのか、最初は良く分からなかったようですが、後で『この担当者は、自分が知らない“用語”が出てきて、それを知らないと言えないために、上席に相談して…、とごまかしたのが分かった』そうです。
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【03】 もう少し“事例”を続けます! |
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もう少し、事例を続けます。ご辛抱ください。A氏が電話を始めて5分くらい話した後で、その企業の担当者は、『あっ、URLのことですか』と、ついに理解に達しました。そして、『では今から申し上げます。よろしいですか…』と言い始めたわけです。
『ちょっと待て。私が何者か確認していないでしょ。私は詐欺師かも知れないのだから、安易に電話なんかで契約者専用のアドレスを教えないで、私のメールアドレスあてに送ってください』とお願いしました。担当者は、はじめ『私はお客様がご登録したメール・アドレス“を知る権限がありません』と言っていたのですが、『それでは今電話で私のメールアドレスを聞いたところで、それが本当に私本人のものかどうか確認のしようがないじゃないか!』と激怒するA氏に、しかたなく『はい分かりました。上席と相談します』と応え、しばらくしてメールが届いたのだそうです。
ところが、そのメールに記載されたURLは、サイトのアドレスをコピーしたものではなく、その担当者が“手打ち”したものでした。そのため、“:(コロン)”が半角ではなく、倍角になってしまっており、クリックしても直接アクセスすることができません。“知ったかぶり”の結果です。
更に問題は、ようやくアクセスしたページが、求めるページではなく、結局、担当部署の“次長”にまで話が上がって初めて片付いたところまで続くのですが、事例はこれくらいにして、本論に入りましょう。
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【04】 顧客が最も“うんざり”すること |
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A氏が最もうんざりするのは、担当者が“知りもしないことを、平然とごまかす”ことです。そんな担当者が、一般には実に多いのではないでしょうか。それは、そんな人たちが悪気があるとか、嘘つきだとかいう理由ではなく、『知らないことを、言葉でごまかす』ことが、会社に求められているからです。
“サイト”は、インターネットを知る人なら誰でも知っていることであり、上席に相談するようなことではありません。それに限らず、顧客が、勉強不足の担当者より、詳細をよく知っているケースは増えています。しかし“分からないことがあれば、『それは自分では判断しかねますので、上席に相談してから…』と答えよ”というマニュアルがあるので、担当者はそれに従うのです。『サイトってなんですか?』と聞く勇気が担当者にあれば、その担当者はむしろ“役に立つ”と、感謝されたでしょうに…。
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【05】 マニュアル文化の“負”の遺産 |
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勉強不足の人を“物知り”に見せる“マニュアル文化”のバケの皮が剥がれ、ユーザーは“自分の見識ではなくマニュアルを丸読みする”人を、今や面倒がっている…、それが“歴史の流れ”かも知れません。“知ったかぶり”と話していると、何が事実で何がごまかしか、だんだん分からなくなるからです。
しかも、悪気のない“知ったかぶり”、つまり“マニュアル人間”は、自分がユーザーに迷惑をかけているなどとは、露ほども思わないため、非常にやっかいなのです。Aさんのように、“問題ある人を見つけたら、その問題を指摘するのが愛情であり自分の役目だ”と考えている人でなければ、担当者が“知ったかぶり”をしていると分かった時点で、もう話を聞かないでしょう。
これをお読みの皆様には、『何を言うか。私をそんな担当者と一緒にするな!』と言われるでしょう。しかし、一般ユーザーには、つまり保険の顧客には、皆様が“保険の勉強”もせずに、ただマニュアルで語る人なのか、保険営業のプロなのか、見た目には分からないのです。
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【06】 “保険”営業者だから嫌われるのではない! |
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そのため『営業者ペースの保険の話』が始まると、すべて“マニュアルを語る”ような人に見えてしまい、“話を聞く気にもならない”のが“現代文化”だと考えるのが妥当だと思うのです。皆様はまず、上記のような“担当者”と同一視されるところから始まるケースが多いという前提で、話を始めなければならないのです。顧客に嫌われるのは、決して“保険営業”の宿命ではありません。
営業社会に大きな“お荷物”を残したマニュアル文化は、従業員教育の時間と費用を惜しみ、マニュアル対応でユーザーを“ごまかせる”と考えた企業の経営陣の産物であり、同時に、勉強もせず“マニュアル”に安住する現場担当者の責任ですが、誰かを非難したり、誰かに責任をとってもらったりして解決する問題でもありません。
まず『私はマニュアル人間ではない。保険を深く理解して、あなたに保険を勧めるのだ』という働きかけを行わなければ、これまでの企業が作り続けて来た“悪しき文化の洪水”の中で、理由もなくユーザーに嫌われてしまうことになるわけです。 |
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【07】 これは“極論”だが… |
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話を分かりやすくするため、ちょっと“極論”しました。もちろん、マニュアルが全部悪いわけでもなければ、A氏が全て正しいわけでもありません。ただ、今、ユーザー社会に蔓延している『通り一遍の話ではなく、本当のことが知りたいのだ!』という叫びに、耳を傾けていただきたいのです。そして、そんな叫びを持つ人ほど、実は、高額保険を必要としている“良質”顧客だと、お気付きいただきたいわけです。
では『私はマニュアル人間ではない』と示すためには、どすればよいのでしょうか。次回(2)で、ご一緒に考えましょう。 |
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【08】 補足:“覚える”より“考える”方が近道 |
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今や、完璧な話を覚えて口にするより、不完全なストーリーでも“自分の言葉”で話す方が、聞き手は興味を持ってくれます。もちろん、勉強不足は今も昔もユーザーには“迷惑”ですが、話が完璧すぎると、むしろ『こいつはマニュアル人間で、知ったかぶりをしている』と警戒されるかも知れません。
そのため、筆者がご提唱する会では、“手法をマニュアル的に覚える”のではなく、“身近な題材から保険の売り方や顧客の気持ちを考える”ことを重視した展開をしているわけです。考えることは、一見“遠回り”のように見えますが、“考えずに覚えたことは実際には役に立たない”のですから、少なくとも“覚える”よりは“考える”方が、成果には“近道”であるはずです。
情報発信型営業が、あちこちで盛んに流行するようになりましたが、そこに“売り手と買い手”が自分なりに考える文化を持ち込むのでなければ、それが“マニュアル文化の負の遺産”から解放される手法にはなり得ないと思います。 ⇒次回(2)へ
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