保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 

 


 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.098】法人アプローチ:経営者に今“耳より”な話題から保険提案へ 〜 アプローチと道筋形成
             

 今、再び経営者保険、あるいは企業保険が注目を集め始めました。一般個人をターゲットとするだけでは、生命保険はどうしても“顧客不足”に陥りがちだからでしょう。
 ただ、もはや、たとえば“経営者の退職金準備”等では、なかなか経営者にたどり着けそうもありません。たとえたどり着けても、“経営者を会社の経費で特別に優遇する”ことに対する“社内の目”が気になって、経営者も保険契約に警戒気味になることが多いのです。
 そんな中で、従来とは違う方向から経営者にアプローチし、生命保険を提案する道筋が見え始めているようです。

             
   
    【01】きっかけは“がん予防セミナー”から?
   
       【気付きリードマーケティング】の会で、“がん予防セミナー”をリリースしたのは、2016年のことでした。企業経営者にアプローチしたい営業者の方からのご依頼で、“国立がん研究センター”のデータをベースに、1時間程度のセミナーを、パワーポイントを使って組み立てたものです。
 セミナー作成の趣旨は、“がん予防”は、ある意味ではまさに“生活習慣の改善”であるため、正面から保険の話をするセミナーよりも、経営者が集う会の事務局等にアプローチしやすいと考えられたからです。
 そして“病気予防”をテーマにするわけですから、がん保険や医療保険ばかりではなく、その延長上に、特に“保険料積立型の生命保険”を提案するストーリーも、組み込みやすくなります。
       
   
    【02】セミナーをセミナー以外の方法で活用する
   
       ただ、問題は“セミナー開催”に漕ぎつけるまでの道筋です。様々な事務局や金融機関等と一定の関係ができていたり、保険会社のバクアップがあったりする場合は別ですが、セミナー講師の依頼獲得は、必ずしも容易ではないからです。
 ところが、ある営業者の方は、このセミナーを“独特”の方法で活用され始めたそうなのです。その活用の第一声は『社長、ちょっと気になるセミナーを、資料ごと入手したのですが…』というものです。
 そして『従業員の皆様の健康管理や生活習慣改善の動機付けにならないでしょうか?』と、率直に提案を持ちかけるわけです。
       
   
    【03】従業員の生活習慣改善は案外“話題”になりやすい!
   
       もちろん、他の案件同様、皆が皆反応するわけではありませんが、反応する経営者には3種のパターンがあると言うのです。その第一は、文字通り“従業員の生活習慣改善”が、組織活力の維持強化にとって“重要だ”と感じる経営者です。
 ただ、『では社内で従業員向けに研修させてください』と申し出てスムーズな展開に至るとは限らないようですが、そんな時でも、『経営者とかなり突っ込んだコミュニケーションができる』ために、少なくとも経営者との関係形成の第一歩になると言うわけです。実際に、“役員会”で話題になったとして、他の役員との“面談”が始まったケースもあるそうです。
       
   
    【04】個人的ニーズを持つ経営者の存在
   
       第二は、従業員ではなく、経営者自身が“がん予防”について知りたい場合です。自らセミナーを受講しなくても、その内容が“分かる”のですから、『話に来て欲しい』という状況になりやすいわけです。
 そして第三は、“実は保険を検討しようと思っている”のに、なかなか保険営業者との面談機会を持てない経営者です。たとえば、以前“退職金準備”の生命保険を検討していて、『社長だけが退職金の準備をするのか』と突き上げられたりしていると、どうしても“社内に保険関係者を呼ぶ”こともためらってしまう経営者もいるわけです。
 あるいは、かつて“相続税納税対策”のための企業保険を検討したところ、会計事務所から『生命保険は企業の資金繰りを悪化させるだけで益はない』と、頭ごなしに反対された経緯が、トラウマになっているケースもあるのかも知れません。
       
   
    【05】企業経営者に残る“企業保険検討”のマイナスイメージ
   
       “保険営業者との面談”に伴うマイナスイメージが、“がん予防=生活習慣改善の方向性”の話を聞くという方向に変化すると、『抵抗感が小さくなる』と言うわけです。アプローチをする保険営業者の方にとっても、何の遠慮もなく切り出し得る話であるため、聞く側の警戒感が薄れるのかも知れません。
 そうでなくとも、今や“生涯で捉えると2人に1人はがんを罹病する”と言われる状況ですから、『まずは予防を考えたい』あるいは『予防法があるかないか、あるとしたらどんな予防法かについて、知っておくだけでも意味がある』と考える人は、決して少なくないのでしょう。
     
   
    【06】保険を連想させながらも保険とは正反対の特質の有効性
   
       昨今、いきなり生命保険の話をしても、なかなか聞き手は心を開きませんし、かといって、“保険抜きで親しく”なっても、今度は“保険の話を切り出すタイミングが難しい”のが実情でしょう。
 そのため“保険を連想させやすい話”でありながら、“保険とは正反対の予防の話”であることが、『積極活用の動機になった』と、その保険営業者の方(Aさん)は言うのです。
 ただ、面談ができた後は、Aさんは、面談相手の経営者や団体等の事務局の人を“5つのパターン”に分類することから、次のステップを考えるのだそうです。
       
   
    【07】次の提案を急ぐ前に行う“顧客分類”
   
       1つ目の分類は“SK”で、紹介をお願いできそうな先です。たとえば、異業種交流会の事務局へのセミナー開催提案でも、開催のお願いと同時に、特定の経営者を紹介してくれそうな人物を“SK=しょうかい”として、マーキングするわけです。同様に、年齢上、本人は生命保険の契約者にはなりにくい場合も、その親族や友人を紹介してくれそうな経営者なら、やはり“SK”です。
 2つ目の分類は“KJ=こじん”です。企業経営者でも、企業保険ではなく、個人保険の方がピンと来る人は少なくありません。むしろ、相続税納税資金対策や争続対策のための生命保険は、死亡保険の受取人指定が容易にできる上に、解約返戻金を個人で受け取ることもできるため、個人保険の方が、退職金を媒介にして受け取る企業保険より、考えやすいケースが増えて来ているのです。
 生涯現役経営者で、適切な時期に会社を畳もうと考える人も、企業人が第二の人生資金を準備するように、解約返戻金活用を考える傾向もあります。
       
   
    【08】夫婦が互いに相手のために保険を考える時
   
       そして3つ目の分類は“FF=夫婦”です。経営者夫妻が、共に企業で役員を務めるような場合、マイホームの住宅ローンが、夫婦両方の収入合算条件で設計されているケースがあります。その際、団信保険の被保険者が夫だけの場合なら、妻の死亡保障は“必須”とも言えるのです。
 ローンがからまない場合でも、夫婦二人三脚の事業運営は、どちらかが欠けると、途端に行き詰まる危険が大きいでしょう。お互いがお互いのために、医療保険や生命保険を考えておくのは、必須とも言えるかも知れません。
     
   
    【09】いつの間にか形成された“自分のための市場マップ”
   
       4つ目の分類は“JS=情報ソース”です。保険の顧客にはなりそうになくとも、経営者事情や保険に対する感じ方を“知る”情報源にするわけです。Aさんにとって『悩んだ時に話を聞きに行くと、いつもヒントをもらえる先がある』そうで、その人は単なる“JS”の域を超えて、私設顧問のような存在なのだそうです。5つ目(最後)は、“??=分からない人”で、文字通り読めない相手です。
 いずれにしましても、『こんな簡単な分類でも、“次の一手”に、あまり深く悩まないで済む』と、Aさんは言われます。『それなりの“自分市場”マップを持つと、アイディアも生まれやすい』からだそうです。
     
   
    【10】当たり前の“策”を“生きたもの”にしてしまう発想
   
       ここからは、本来“文書”にすべきではないのかも知れませんが、そんな分類から、たとえば“SK=しょうかい”マークが増えて来ると、まず、アプローチしやすい先に、思い切った紹介依頼を出し、それがうまく行くと“他でも同じ依頼を繰り返す”という方法をとっておられるようです。
 Aさん自身は『当たり前のことをしている』と言われますが、たとえ“当たり前”のことであったとしても、その“当たり前戦略”が生きたものになったのは、“がん予防セミナー”を、“面談動機形成”に使う積極性があったからだと考えられるのです。
 奇策を求めるのではなく、“手持ちのツールや題材を生きたものにしてしまう”発想こそが、今重要になって来ているのかも知れません。
     
     
     
◆本トピック関連のお勧め教材

 本トピックでとりあげた《がん予防セミナー》ツールの詳細は、
 以下をご参照ください。
 セミナーだけでなく、対面プレゼンでも活用可能です。
 
  ⇒ “がん予防”に基点を置く セミナー&プレゼンツールセット    
     http://www.e-hint-ins.jp/tool/semikit.html
  
  ⇒ 気付きリードマーケティングの会について
     http://www.hoken-kizuki.com 
 
       
       
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