保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.093】アプローチ:今も《生命保険》は絶対必要か?:ある保険代理店社長の気付き
             

 ある保険代理店の経営者が、人材採用面接時に、応募者から『生命保険は絶対必要なものですので、それを世の中に伝えたい』と言われ、それ以後、その言葉が耳から離れなくなったと言われます
 それは、その言い回しが、とってつけたような《陳腐》さを持っていたからではなく、むしろ、正直『そうだ、その通りだ』とは言い切れない自分を発見してしまったからだそうなのです。
 家族や企業内の人間関係《崩壊》ばかりが目に入り、確かに、人と人との絆を前提とした《死亡保障》の役割は終わったように感じる部分も否めません。
 しかし、本当にそうでしょうか。改めて考えてみるべきでしょう。


             
   
    【01】多様化が《社会構造》を変えてしまった?
   
       確かに、江戸時代にまでさかのぼれば、当時の侍は《城主》のため、あるいは《お家》のために生きていたかも知れません。その一方で、《城主》や《家長》も、自分のためではなく、領民や家族のために生きる意欲に満ちていたと言えそうです。自分のために生きたくとも、それが許される“場”は、ほとんどなかったからでしょう。
 そんな時代に、もし“生命保険”があったら、良き《城主》や《家長》は、契約に躊躇しなかったかも知れません。
 ところが、世の中が多様化するにつれ、徐々に他者のために生きていては、自分がすべきことも貫徹できない状況が広がって行きます。その傾向は、最近、益々拡大して来ているようなのです。
     
   
    【02】他者の成功事例も《ピン》と来ない!
   
       多様化の実態をイメージするために、《保険営業》スタイルを例にするなら、前世紀までなら、営業にも《保険会社の方針》に従っていれば、何とかなる部分が大きかったと言えるかも知れません。保険会社が主催する《成功事例》セミナーは、かなり役立ったはずなのです。
 ところが、今や《成功事例》を聞いてもピンと来ないし、そもそも、保険会社の言うことを真に受けていると、営業活動の《将来は開けない》とさえ感じることが増えているのではないでしょうか。
 多様化の時代には《中央統括》的な機能は、現場実践に、案外役に立たないのです。もちろん、それは保険営業に限ったことではなく、多くの現代人が、様々な仕事の中で“実体験”していることだと思います。
組織の長や中枢機能を、以前ほどには頼りにできなくなったようなのです。
       
   
    【03】お互いがお互いをイメージしにくい家族関係
   
       家族も同様で、子供はなかなか《親》を人生の手本にできなくなりました。社会環境が激変する中で、親の体験を聞いても、容易には『勉強になるなあ』とは思えないからです。いわゆる《時代感覚》が違うばかりではなく、今日《子供が選ぶ道》は、過去と比較にならないほど多様化しているからでしょう。
 夫婦間でも、それぞれが《自分の職場》を持つような場合、お互いがお互いの《体験》をイメージし合いにくいため、心を一つにするような《共感》を得る機会が減って来ているかも知れません。夫の職場をイメージしにくくなった専業主婦も同様でしょう。その一方で、高度に機械化された家事を“大変だ”とする専業主婦の言葉を、夫は疑いを持って聞いているかも知れません。
 その結果として、極論すれば、現代人は《組織》にも《家庭》にも、思いやイメージを、近しい人と共有できる機会を持てず、その結果として《自分の居場所がない》と感じやすいのではないでしょうか。その意味では、江戸時代とは《正反対》なのです。
       
   
    【04】どこにも居場所がなくなった《現代人》
   
       どこにも居場所がないと感じると、消極的な人は《閉じこもる》一方で、積極的な人は、他者のことはさておき、自分は《自分らしく生きよう》とします。つまり《自己実現》に目覚めるのです。それが勢い余って《利己的な生き方》を生み出します。
 もちろん、皆が皆そうだとは言いませんが、そんな《流れ》が現代の基調になっているとは言えないでしょうか。
 ところが、ここにもう一つ《重要な課題》が出て来ます。たとえば、 自己実現意欲が典型的に高いと言える《オリンピック選手》を例にすると、成功している人は、そのほとんどが家庭と職場で《良き協力者や支援者》に恵まれているのです。
 親が全てを犠牲にして、子を《選手》に育て上げるケースもありますし、 企業が組織を挙げて《選手》を支援する時もあります。
       
   
    【05】保険営業でも《保険会社》の存在は微妙なように…
   
       それは保険営業でも同様で、たとえば『確かに保険会社の言う通りに従っていたのでは成果が生まれようもないが、その一方で、保険会社の支援を引き出さなければ、やはり成果は期待できない』という現実を否定できないはずなのです。
 その意味で捉え直すと、現代は《単なる自己実現》ではなく、《他者の協力を獲得しながら自己実現を狙う》という考え方なしには、なかなか活躍できない状況になって来ていると言えるかも知れません。
 そこには当然《個人差》があって、自己実現のため、自分の都合だけで《他者を利用》する人がいる一方で、《他者との協力(Win-Win)関係》を大切にする人もいるでしょう。ただ、その姿勢がどうであれ、いずれも主目的は《自己実現》です。
     
   
    【06】現代だからこそ《考える》べきこと
   
       そんな風に《現代の本質的部分》を捉えると、確かに『自分が死んだ後の家族や従業員のための死亡保障』など、考慮する価値は低くなったのかも知れません。そして、そこだけを捉えるなら、一部の人が言うように『生命保険は、その役割を終えた』とも言えそうなのです。
 しかし生命保険の《被保険者》になるサイドではなく、《死亡保険金を受け取る側》から見たらどうでしょう。その《死亡保険金》は、まさに《自己実現》活動のための《重要な原資》になるのではないでしょうか。
 そして、もし、生命保険を被保険者は無意味だと感じ、受取人は有意義だと感じるとしたら、一歩踏み込んで《被保険サイドのメリット》を作れば、生命保険の《役割》は、改めて意識されるのではないかと考えたくなるのです。
       
   
    【07】個人契約の終身保険がクローズアップされる要因
   
       それが、個人契約であれ法人契約であれ、終身保険等の《解約返戻金がある生命保険がクローズアップされる》背景だと思います。これは、様々な場所でお話していることですが、終身保険等には《他者の協力を引き出しながら自己実現に邁進する》ための構造が備わっているからです。
 もっと簡単に言うなら、たとえば家庭内なら、自分の第二の人生のための資金は、長期的視点から《自己実現》を可能にする重要な原資です。しかし、自分のための貯蓄に、家族の協力を引き出すのは、必ずしも容易ではありません。
 その時、《死亡保険金》を受け取り得る家族が、高額の保険料支払いに、節約を通じて協力してくれるような《形》を作るなら、事態はずいぶん変わります。保険料の支払いは、当然、死亡保険金受取人のためにもなるからです。
 もちろん契約者が、いざ解約返戻金を受け取る段になって『なんだ、死なないのかよ!』と言われることもあり得るでしょうが、そんなネガティブ感覚は、解約返戻金の使い方次第で回避できるはずです。
       
   
    【08】企業ではもっと顕著
   
       企業では、もっと顕著でしょう。経営者が、自分の生存退職金準備ばかりに固執せず、事業の《将来飛躍》のための投資資金準備や、企業が《危急の事態に陥った時》の対応のために、終身保険等の生命保険で資金を積み立てようとする時、《死亡保障》が持つ、従業員に対する《大義》に気付くはずだからです。
 たとえ、死亡保険金額が巨額に達しなくても、経営者の予想外の急死に際し、従業員は、保険金で《余裕時間》を買えるかも知れません。
 《死亡保障》でなくとも、たとえば生涯現役の経営者が、最後まで会社に残る従業員の《退職金(転身)原資》を、死亡保障と解約返戻金の両面から作ってくれていると従業員が思える時、《生涯現役》という経営者の自己実現は、果たしやすくなります。先行きを見限って、辞めて行く従業員を減らし得るからです。
     
   
    【09】生き様とともに変わる《必要性》
   
       そう考えるだけでも、《生き様》とともに、生命保険の《必要性》は変わって来るのだという気がして来ます。そして、その《必要性》が変わる時、《求められる保険の種類》も、その《保険の売り方》も変わり得るはずなのです。
 しかも一般に言われるように、《死亡保障があるから終身保険の貯蓄機能は低い》のではなく、《死亡保障を前提とするなら、定期保険と貯蓄の組み合わせより終身保険の運用効率の方が高い》と認識されるなら、今日、各メディアが行っている《生命保険へのバッシング》は、見当違いになって来るとも言えるのです。
     
   
   

【10】 現代人のストレス源を見直すための市場創造型営業

   
       いかに保険のニーズ(ニード)を探すかという視点から一歩踏み出し、保険営業者は、今こそ《時代の変化を教える先生になるべきではないか》と感じるなら、そこに《市場創造型の営業が始まる》と、常々申し上げているのは、以上のような背景があるからです。
 確かに、この世に絶対必要なものはないかも知れません。しかし、それと同時に、絶対必要でないものも、またないはずなのです。全ては《使いよう》であり、そのため《自己実現》と《他者の協力の取り付け》という相互矛盾を抱える現代人には、それなりの《保険活用法》があるということだと思います。
 他者との共感機会が減ったため、現代人に、必要以上の人間関係ストレスが急増していると考えるなら、終身保険の活用は、共感法の再発見を通じて、人間関係を建設的に見直す《きっかけ》にもなるかも知れません。
     
     
     
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