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通常『お金には色がついていない』と言われます。極端な話では、きちんと仕事をした報酬に受け取った○万円も、道端で拾った○万円も、財布や口座の中に入れてしまえば、“同じお金”になってしまうということです。
そのため、報酬で得たお金は生活費に充てる、その他の臨時収入は遊びに使うと、“使い方”を決めたとしても、今使った○万円が“報酬”で得たものか、道で“拾った”ものか区別がつきません。
しかし、だからこそ実は“お金に色を付ける”必要があるのです。そして、徹底的に色を付ければ、私たちはそれなりに“豊か”になりますし、そればかりか“保険の提案”も、相当にしやすくなるはずなのです。
さて、“お金の色”とは何でしょうか? |
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【01】 67歳にもなって“老後”に備える? |
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金融機関に7,500万円の預金を持つAさんは、非常につつましやかな暮らしをしています。こう言ってよければ、もはや老朽化しているマイホームにも、手を入れようとはしません。着ているものも、決してオシャレではないのです。
そこで『どうして多額の預金を持ちながら、倹約するのですか?』と聞くと、何と『老後が心配だから…』という答が返って来ました。Aさんは、もうすでに67歳なのです。確かにまだまだ“生きる”でしょうが…。 |
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【02】 驚くほど余裕があるB夫妻の“秘密” |
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一方Bさん夫妻は、夫69歳、妻63歳なのですが、毎年ヨーロッパなどへ遠出します。飛行機はビジネスクラスで、ホテルは豪華です。当然、たとえばドイツのマイセンやイギリスのウェッジウッド等の“自分達への土産”も欠かしません。Bさん夫妻は“焼き物”が好きなのです。
『リッチですねえ』と言うと、『まあね』と笑いますが、実のところ金融財産は5千万円を切っているでしょう。Aさんの預金額の6割程度です。しかし、Bさん夫妻には“予算を立てる”というとびきりの“財産(能力)”があるのです。 |
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【03】 “余裕”の源は蓄えでも収入でもなく… |
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マイホームのメンテナンスや日々の日常生活費は、ある程度“予算化”されています。もちろん、企業予算のように精密ではありませんが、予算がアバウトでも個人生活のイメージは鮮明なのです。そのため『年金収入と週4日の“仕事”で、基本的な生活はできる。妻も厚生年金を受け取っているため、生活費だけなら、お釣りが来るくらいだ。そこで、年に1回、金額を決めてパーッとやっている』のだそうです。
旅行にも“予算”があって、買いたいものが見つかった時は、その後の“食事”等を節約して、帳尻を合わせるのだそうです。予算が余った時には、その“余り”を豪快に使います。そのため、驚くほど“豊か”なのです。
7,500万円の預金があっても、これからの“使い方”予算がないAさんは、つつましやかに暮らしながら、まだ“老後”に備える日々から抜け出せませんが、何事も“予算”化するBさんは、予算の範囲内なら“自由にカネを使える”ために、豪快なのです。 |
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【04】 余裕は“お金に色を付ける”ことで生まれる! |
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さて、実は“お金の色”とは、この“予算”のことです。毎月の収入を、基本生活費や臨時支出の特別費、自宅や家電の修繕(買い替え)積立、火災保険や自動車保険のための月次積立、医療費、その他等、様々にお金を“区分(色分け)”するわけです。
たとえば、時間がなくて、交際も遊びもできなかった月は、“特別費”が余ります。その“余り”を、翌月の“特別費”に繰り越せば、翌月の“特別費”は、その分“豊か”になります。平素より“豪勢”なことができるわけです。Bさんは『(翌月に備えて)意図的に節約することもある』と言われます。
しかし、それでも毎年の海外旅行費用はまかなえないでしょう。
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【05】 収入ばかりではなく蓄え分にも“色”を付けよう! |
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ところが、Bさんは海外旅行についても、定年前の“蓄え”から、数回分の費用予算を分けているのです。つまり、5千万円足らずの預金と言うのは、海外旅行予算を“除いた額”だったということです。
そして、こんな風に“予算化”すると、『(もっと)歳をとったら行けなくなるよな…』と、夫婦で語らいながら、旅行のプランを立てるのだそうです。このところの体力低下から、今後の旅行は“国内が精いっぱい”らしく、この海外予算にも“余剰”が出ているようです。
そして『予算化せず、漠然と持っていると、お金は“(減る)不安”を生んで使えなくなる。予算化すると、目的別に“余剰”を出せて、普段は“ムダ”だと思えることにも使ってしまえる』と主張されます。これは“オフレコ”だと言われたのですが、そんな“余剰”で馬券を買ったら“大勝”してしまい、(国内の)焼き物産地旅行に出掛けることになったのだそうです。 |
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【06】 強い企業と豊かな家計が持つ“武器” |
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ビジネスでも、次々に大型投資ができる企業は、それなりの“予算”を持っています。“予算”を作るセンスがない経営者が、いつも“カネがない”病にとりつかれてしまうのかも知れません。
こう考えると、特に“解約返戻金のある生命保険”は、そのままでも“一種の予算の役割を果たしている”とも言えるのです。たとえば、66歳で解約した時に○千万円の資金を手にできるなら、貯金には、それほど必死にならなくても済むからです。
毎月支払う保険料は“(収入では)なかったもの”として諦め、保険料支払い後で“予算”を立てて暮らすなら、それこそ、老後を迎える以前に“目的別余剰”さえ得られるかも知れません。『ああ、この4ヵ月水道光熱費をあまり使わなかったから、合計数万円の余裕が出ているなあ』という具合です。
“目的別余剰”は、一つ一つは小さくても、積み重なって行けば、それこそ“埋蔵金”のように働いてくれるものです。 |
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【07】 見通しは自然な形で“行動”を変える! |
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何にどれだけ使ったかを厳密に管理しようとすれば、作業が大変なだけではなく、気が滅入ることさえあるでしょう。しかし“予算”を置く習慣を持つなら、たとえリッチではなくても、“余裕”が生まれるようになります。
なぜなら、それなりの“見通し”を立てれば、自然に“それなり”の生活や行動をとるようになるのが、私たちの特質だからです。見通しを立てずに、どんぶり勘定で行動すると、いつの間にかお金がなくなっていることに気付くケースが増え、逆に“臆病”になって“余裕”が消えると言うことです。
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【08】 毎月の支払保険料の原資作りも“発想”の転換から… |
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そのため、若いうちの“保険料支払いの原資作り”のためにも、老後に受け取る死亡保険金や解約返戻金の“使い方”のためにも、保険営業に取り組む皆様には、是非“予算作りの名人”から“予算作りの指導者”になっていただきたいと願ってやまないわけです。
しかも“予算作り”のセンスが身に付けば、火災や病気等の不測の事態には“支出(保険料)が読める保険”で備えたくなるのが自然だと言う意味で、広く多彩な保険を売る“土台の形成”にもなり得るはずなのです。
もちろん、予算名人にならなくても、『余裕がないから保険に入れない』と逃げる顧客を、『保険料を支払った残りで生活せよ!』と言い切れるほどの強さをお持ちいただきたいのですが、そんな強さを持つくらいなら、予算作りを勧めた方が簡単かも知れません。
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【09】 具体策を考える前に“意識”しておくべき“お金の色” |
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わが国では、中堅中小企業のほとんどに、“意味のある予算”を作る習慣がありません。そして、それが“緩い経営判断”につながり、なかなかシビアに経営成果を挙げられないままのケースが少なくないのです。
まして個人では、家計簿はつけても“予算”までは考えないケースが多いでしょう。そして、そんな“将来費用のアバウトさ”が、『保険料が支払えない』という目先の勘違いを生んでしまうわけです。まがいなりにも予算を作ってみれば、驚くほどの“ムダ”をしていることを痛感するでしょうに…。
ではどうするか…。そんな具体策を考える前に、実のところ“余裕”を生み出すのは“収入”ではなく“予算”なのだという感覚を共有したく、年初のお話に代えさせていただきました。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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