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顧客は、確かにビジネスでは“最も大切な要素”ですが、それ故に“振り回される”時があります。特に“失いたくない”という思いが強いと、ついつい顧客の無理を聞き、その“一歩の譲歩”が、次々に“不都合な関係”に発展するケースもあるでしょう。
“最も大切な要素”として最大限の尊重をしながら、それでも“決して顧客に負けない”方法があるのでしょうか。 |
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【01】 強い人と弱い人で“何”が違うのか…? |
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現実論として見た場合、“売り手”にも“顧客”にも、“強い人”と“弱い人”がいます。たとえば、自分が壊したパソコンを量販店に持ち込み、無料で修理させる人もいれば、保証の範囲内の故障なのに、メーカーに『使い方が悪い』と言われて、有償修理に持ち込まれる人もいるからです。
しかし、“強者と弱者”で、いったい“何が違う”のでしょうか。“性格が違う”などと、辞書的な言葉をあてがって考えを止めず、現実的に考えてみましょう。ただし、考えるためには、いったん“良い”とか“悪い”とかいう感情を、棚上げしておかなければなりません。そのため“良し悪し”は、後回しにして考えることにします。 |
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【02】 その差は“目線”にあった! |
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さて、実は“強者と弱者”には、ほんの少しの違いしかないケースが多いようです。そして、もっとも顕著な違いは“何を見ているか”によるようです。
たとえば、自分で壊したパソコンを無料修理させた客は、自分ではなく“店員”を見ています。店員が“客にどんな姿勢をとるか”を観察しているのです。一方、無料修理させれらた店員は、客ではなく“自分”を見ています。自分は店員としての役割を果たしているのでしょうか。自分に落ち度はないのでしょうか。自分は何をすべきなのでしょうか。それ以前に、“他者が自分をどう思うか”ばかりを気にしているかも知れません。
そんな風に“自分”ばかり見ていると、“他人”ばかりを見ている客には、“隙だらけ”になり、結果として押し切られることが多いのです。 |
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【03】 自分ではなく“客”しか見ていない? |
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もちろん逆も同様です。保証の範囲の故障なのに、それを強く言えない“客”は『自分が何か不都合なことをしたのではないか』とか『もっと適切な使い方があったのではないか』と、自分を見ます。それを平気で押し切るメーカーの“担当者”は、『この人、おどおどしているから、何かやましいに違いない』と決めつけるのでしょう。決めつけないまでも、少し強い態度をとれば、相手は容易に引き下がってくれます。
しかし、その時の店員には、“自分は客に何をすべきか”が、すっかり忘れられているでしょう。“自分”ではなく“客”しか見ていないというのは、そういう意味です。
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【04】 自分を見なければ“攻め手”が見える! |
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一般に、客に弱い人は、顧客の働きかけに対し、顧客と一緒に『自分がすべきこと』を考えます。逆に、顧客のクレームも平気で押し返す人は、『お前(客)はどうなんだ』と、しきりに相手を見るのです。この差が、言葉の“攻め手”の差になり、そのまま“強さ”の違いになることが多いわけです。
“気が弱い”というのは、つかみどころのない性格なのではなく、“いざという時、自分がどう思われるかを気にし過ぎる(自分を見過ぎる)”ということに他なりません。だから、“気の弱い”人が、自分に対して目を閉じて、攻撃に転じる時には、手がつけられなくなるのでしょう。
こう考えると、2つ問題が出てきます。 |
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【05】 価値観に合わない! |
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第1の問題は、確かに強さが必要でも“自分を省みない”ような人間にはなりたくないという価値観が働く時です。そして第2の問題は、強くありたいと思い、その方法が“自分ではなく相手を見ることだ”と分かっていても、ついつい“相手の勢いに負けて自分を見てしまう(相手の言葉をそのまま受けてしまう)”という傾向です。
ただ、それでも“強く”ありたい時は、どうすればよいのでしょうか。そして、自己中で強いのではなく、本当に“強い”人はどうしているのでしょうか。 |
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【06】 本当に強い人の“目線”は相手も自分も見ていない? |
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どうやら“本当に強い人”は、相手も自分も見ていないようなのです。それは二の次三の次で、もっと重要なことに目を向けます。もっと重要なことというのは“事実”です。
壊れたパソコンを持ち込まれた時の強い店員は、客が何と言おうと、“事実”を追究します。瞬時に、自分でも相手でもなく、“事実”の方向に心が動くのです。だから、ほとんど動揺しません。事実が分かれば、次になすべきことは、ほとんどの場合決まっているからです。
そして、混乱したり動揺したりするのは、事実を見失った時だと知っているからです。ただし、それだけではありません。 |
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【07】 いざという時に“強さ”を発揮するには… |
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“本当に強い人”は、いざという時は“普段の習慣がそのまま出てしまう”ということも知っているようです。そのため、普段から“対処法”に急ぐのではなく、“事実”の前に立ち止まろうとします。パソコンを壊した時でも、“どんな修理をするか(対処法)”に飛ぶのではなく、“なぜ壊れたのだろう”と“問題”の中に立ち止まることに努めるということです。
そして、そんな目で見ると『世の中の人は、落ち着いて問題を観察する前に、急いで対処法に走り、肝心な事実を見落として失敗する』ことが、非常に多いのにも気付くそうです。そして、そんな反面教師的イメージが、コツコツと“事実を見る”習慣を蓄積するライフスタイルの背中を押してくれます。 |
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【08】 強者も弱者も公平に扱う“目線”! |
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習慣として“事実”を見ていると、いざという時も、相手や自分ではなく、事実を見ようとします。そのため、すぐに“自分”を見てしまう人のように、弱くはなくなるのです。そして、“自分”のことを棚に上げて強く出る人の“現実”も見えるようになり、その“自分のことを棚に上げるという事実”の中に、その人の弱さが把握できます。子供のような幼稚さが見て取れるのです。そのため、世間で言う“気の強い人”も、決して怖くはなくなります。
そして、この“事実を見ることによる落ち着き”は、人としての生活ばかりではなく、対人関係が重要なビジネスにも、大いに役立ってくれると言えそうなのです。それは強者に対して強くなるばかりではなく、弱者への姿勢も正当なものに変わって行くからでしょう。
困った時には対処法ではなく、その“困った事実”を見つめ直すこと、問題が起きた時には解決策を探す前に、その“問題の本質”を見抜いてやろうと努めてみること、それが案外、生活もビジネスも“好転”させる“公然の秘訣”なのかも知れません。 |
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