保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.026】顧客開拓:改めて“退職金”を考え直して見えた“話題作り法”とは?(1/2)
             

  いわゆる“退職金”には、経営者(自社株オーナー)の退職金、役員の退職金、一般従業員の退職金の3種類があります。そして、この一見古くて、実は“その時々”で新しい話題を改めて見直してみると、様々な発見に出合います。
  それは『そうか。まだまだ退職金をテーマに生命保険提案ができる』という気付きであるとともに、法人、個人に限らず、“興味を引く(保険の)話題の作り方”全般の“ポイント”が、そこにあるように思えてくるからです。


             
   
    【01】 経営者の関心が薄い従業員退職金
   
        中堅中小企業は、確かに“退職金”には無頓着なケースが多いかも知れません。大騒ぎになるはずだった“適格退職年金制度の廃止(2012年4月)”さえも、想像以上に“静か”に通り過ぎようとしているからです。
  『いや、今まで“メリット・プラン”を売ってきた』と言われる皆様も、実は“退職金原資作り”を提案していたのではなく、“法人税の優遇措置の活用”を売っていたのかも知れません。“利益”が出ない企業が増えて、『従業員の退職金?、そんなこと考える余裕がない』と言われるケースが増えたはずです。
  言われるだけならまだしも、手で拒否されたり無視されたりすると、経営者の従業員退職金への関心の薄さを、改めて感じてしまうのではないでしょうか。
       
   
    【02】 では経営者自身の退職金は?
   
        では、経営者自身の退職金準備はどうでしょうか。これも“利益が出ましたか。それでは税の優遇措置を受けましょう!”というスタイルの営業が強かったせいか、従業員退職金と同様、経営者に『別に…』という顔をされるかも知れません。本当に“その意味”が分かっているかどうかは別にして、『私は生涯現役だから(退職金は必要ない)』という経営者も、まだ少なくないのです。
  “法人税の優遇措置”を外してしまうと、実は“ほとんど必要性の提案ができていない”のが、この“退職金分野”なのではないでしょうか。ある経営者は『利益が出ていないって言ったら、保険の営業者は皆帰っちゃうよ。昔はしつこかったのにねえ…』と言っています。
  ちなみに、その会社で利益が出ていないのは、『会社に利益が溜まり過ぎたので、自分の報酬を高くして、会社から個人に資産を移している』からに過ぎません。
       
   
    【03】 “退職金の原資作り”という基本的な“提案ストーリー”の再構築
   
        そんな状況が手伝ってか、『もう経営者にはアプローチできない』と言われる保険営業者の方も増えています。『解約ばかりで…』と言うわけですが、解約目的で売った保険が解約されるのは、当たり前でしょう。
  その意味では、“退職金の原資作り”という基本的な“提案ストーリー”も、原点に戻って考え直さなければならない…、と、そんな時期に来ているのかも知れません。しかし、どのような視点から“ストーリー作り”に取り組めば良いのでしょうか。
  まずは“従業員の退職金”から考えてみましょう。
       
   
    【04】 『従業員の退職金を考える余裕がない』と言いきる経営者の“思い込み”
   
        さて、従業員の退職金(制度)は『中堅中小企業には無理だ』という時、いったいどんな“退職金”が想定されているのでしょうか。それはたぶん『仕事を引退した後は(死ぬまで)悠々自適に暮らすための原資』が、ほとんど無意識的に連想されているように思います。
  たとえば、65歳で定年退職する人が90歳までの25年間悠々自適に暮らす資金など、一部の優良企業にも“難しい”のが今日の状況です。退職金が“老後資金”だったのは、55歳で退職した人が60歳過ぎには亡くなっていた昭和中期の発想なのです。
  昭和60年頃、ある金属精錬所の所長が、『いやあ、現場の人の大半は定年退職(55歳)前後の5年で亡くなっているのではないか?』と言っていたことを、今もよく覚えています。
       
   
    【05】 “退職金”の役割が大きく変わってきた!
   
        更に、定年が延びることで、マイホームのローン残高も大幅に減らせます。以前のように『退職金がなければ、ローンを全部返せない』という状況でもないのです。
  では、今日の“退職金”は、どんな“役割”を持っているのでしょうか。ある中堅企業の退職者は、こんなことを言っていました。それは『退職金額自体は大したものではないけれど、公的年金を合わせれば、まあ数年程度は“仕事”をせずに暮らせる額だった。後で考えてみると、それが非常に重要な意味をもった』ということです。
  それはいったい、どんな“意味”なのでしょうか。
       
   
    【06】 ある人の例
   
        簡単に言うと、その人が退職したのは60歳でしたが、今やそれは“簡単に死ねる”年ではありません。だからと言って、“仕事を選べる”状況にもないのです。しかし『しばらく大丈夫なのだから、ゆっくり考えようよ』という奥様の助言?もあって、いったん落ち着くことができました。
  そして、とりあえず、自分のマンションのベランダに“花”や“野菜”を植えることから始めたのだそうです。最初は『暇つぶしのつもりだった』と言っておられました。そして、中途の話を省略して、一気に結論に飛ぶなら、その時の“栽培”が、今の“生活”を作りました。
  その人は、農業地区の空き家を借りて、自分でも菜園を始めるとともに、今では地域起こしの菜園で、インターネット通販の“責任者”になっているのです。
       
   
    【07】 第2の人生の支度金
   
        退職金は“老後を何もしないで暮らす資金”には不足ですが、“第2の人生をゆっくり考える余裕”作りには、大いに力を発揮するということです。つまり、長寿化に伴い、退職金の役割は“老後の生活資金”から“第2の人生設計資金(支度金)”に変わったということです。
  支度金なら、額で言うと、1千万円でも十分な規模かも知れません。今、そんな時代なのです。中堅中小企業だからと言って、『うちには無理』と言える状況ではないということです。
  逆に、支度金さえ準備しない企業には、晩年に“居座る”従業員が増えています。彼らは、仕事はしない、会社はやめない、上のいうことは聞かない、下には教えないの“4(し)ない”族なのだそうです。
       
   
    【08】 支度金も支払わない会社では…
   
        そのため、人生の再設計を行う従業員のみならず、人材の刷新と企業風土維持強化を求める経営者にも、退職金制度は“新たなよりどころ”になりつつあると言えるのかも知れません。中堅中小企業でなくとも、経営者は“できないこと”をする必要はありませんが、“できること”なら、あえてしない理由もないからです。
  しかし、そんな話を“口頭”で伝えるのは、確かに難しいため、【新作ツール商品】保険につなぐ“話題集(事例ニュース)”(⇒詳細はコチラ)の形で作成しました。もちろん“話題”は退職金には限らないのですが、まずは『案外提案していなかったなあ』と思えるテーマから、順次増やして行こうと考えています。
  ただ、“話題集”で話を終えず、次回は“経営者の退職金”について、今の状況に見合った“役割”変遷を取り上げるともに、“顧客との接点を形成する話題作りのポイント”にも触れておこうと思います。
       
     
■《保険につなく話題集(事例ニュース)》詳細
       
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